子宮腺筋症に対するUAE(2)

そこで子宮筋腫の場合も含めてUAEの効果を学会で発表することにしました。
CIRSE(CardioVascular&Interventional Radiolical Society of Europe)という長い名前のヨーロッパの学会です。 以下のような内容を発表しました。2000年9月のことでした。

【子宮筋腫12例、子宮腺筋症2例、筋腫と腺筋症の合併1例に対してUAEを施行。
画像による治療効果はMRIにてUAE後1日、3,6,12ヶ月で判定。
UAE後第1回目の月経から月経困難等の症状は緩和。筋腫はUAE後3ヶ月で平均57%の縮小率を示したが腺筋症の場合は縮小はわずかであった。
子宮筋腫の1例にUAE後5日目に筋腫分娩をきたした。片側塞栓の1例にUAE後6ヶ月で症状再発のため再UAE施行。

短期的にはUAEは子宮筋腫、子宮腺筋症に対して有効であった。 腺筋症に対しては縮小率は期待はずれであった。

UAEの治療効果を結論つけるにはより長期的な経過観察を要するであろう。特に腺筋症の場合にはそうである。】

オランダのマーストリヒトという都市での学会で、つたない英語で喋りました。会場からは、筋腫の場合は良好な縮小率だが、腺筋症の場合はそうではないということから、大きな腺筋症で頻尿などの圧迫症状はあまり改善されないということでいいのか? という質問が来ました。
残念ながらそういうことだ。 と返答しました。

もちろん現在はそうではありません。