子宮腺筋症に対するUAE(4)

子宮腺筋症にUAEが有効であるといっても不完全梗塞の患者さんが40%でそのうち20%は再治療が必要となればその患者さんにとってはあまりうれしくありません。40%のうち20%ですから8%ということになりますが、その患者さんにとっては100%なのですから。

そこで不完全梗塞の場合はUAE後どの位の期間で症状が再発してくるのかを検討しました。

2008年に開催された子宮筋腫塞栓療法研究会で発表しましたが、UAEを行なった76症例では13症例(17%)が何らかの症状再発がありそのうち6症例はたまに痛み止めを飲めばいい程度の月経痛でした。そういった軽度の症状も含めると最短で3ヵ月後、最長で43ヵ月後ということでした。平均すると20.8ヶ月、つまり1年と8ヶ月でした。

では再治療を要した7症例に関してどうだったのでしょう。

再治療までの期間を調べたところ、最短で3ヵ月後にホルモン療法が開始されています。
最長では38ヵ月後に開腹子宮全摘となっていました。平均すると14.4ヶ月、つまり1年と2ヶ月で再治療を受けることになっていました。再治療の内訳はホルモン療法、もしくは子宮全摘でした。

子宮腺筋症に対するUAEの難しいところは病変部が完全梗塞になるかならないかが術前に判断できないという点にあります。

個人的には、「あれだけしっかりと塞栓した」のに不完全梗塞になったり「もう少ししっかり塞栓すればよかったかな」と思ったにもかかわらず、完全に梗塞になっていたりすることがあるのです。

UAEは本当に難しいと思います。 でもやりがいもありますね。