子宮筋腫に対するUAE

子宮筋腫に対するUAEが報告されたのは1995年のRavinaによるLancet誌です。
では子宮筋腫に対してUAEの治療効果はどの程度なのでしょうか。
私は1998年から2006年までに施行した約900症例を集計してみました。約90%の症例にて筋腫がすべて完全梗塞になっていました。外来をしていると判るのですが、6-7割の患者さんが多発性子宮筋腫です。
筋腫の数が多くなると中にはUAE後に完全梗塞を免れるものが出てきます。
それでもUAEによって筋腫による症状、つまり過多月経、月経痛、圧迫症状はきわめて高率に緩和され、5年症状コントロールは90%以上でした。
しかし、UAEにてまったくといっていいほど塞栓されなかった例も経験しています。
2度のUAEを行なったにもかかわらずほとんど塞栓されなかった例がありました。
開腹手術を行ないましたが、子宮筋腫ではなく、靭帯内筋腫でした。
つまりこの場合は筋腫は子宮から発生したものではなく、子宮を支える靭帯から発生したものでした。
UAE前のMRIではしょう膜下筋腫の診断でしたが、実際におなかを開けてみると違ったというわけです。