UAE後の卵巣機能(1)

UAEの合併症の一つに卵巣機能低下(不全)というのがあります。平たく言うと卵巣の働きが衰えて閉経になるということです。いくらUAEが筋腫や腺筋症に対して有効であるといっても卵巣機能の低下をきたしていたら受け入れられません。 卵巣機能を評価するのには基礎体温をつけてそれを解析することが一番なのですが、原則挙児希望がない女性にUAE前から基礎体温をつけさせるというのはいささか無理があります。そこでFSH(卵胞刺激ホルモン)という脳下垂体から分泌されるホルモンを測定します。E2(エストラジオール)はエストロゲンの一種ですが、変動が大きいのであまりあてになりません。比較的安定しているFSHを測定します。このグラフはUAEを施行した子宮腺筋症74症例のうち45歳未満35症例のFSHの推移です。ほとんどの症例でFSHが安定しているのがわかります。1例のみUAE後1年以内にFSHの一過性上昇が認められました。また2年後に一過性に上昇している例が1例ありました。この2例はUAE施行時の年齢は44歳でした。つまり、45歳未満の場合UAEを受けても卵巣機能は保たれると解釈していいと思います。