両側卵巣動脈塞栓の経験

子宮動脈塞栓術の際に、卵巣動脈も塞栓する場合があるとこのブログで書いたことがあります。

通常は片側だけの卵巣動脈塞栓にとどめるのですが、左右の卵巣動脈を塞栓した経験があります。いつか発表しようと思いますと書いた覚えがあります。
http://uae-ivr.blogspot.com/2010/03/blog-post.html

7月10日に発表する予定となりました。

第5回日本IVR学会関東地方会 
http://www.jsivr-kanto.jp/pdf/5th_program.pdf

【子宮筋腫に対し両側卵巣動脈塞栓を施行した1症例】


子宮筋腫に対する動脈塞栓術では数%にて卵巣動脈付加塞栓を施行する場合があるといわれているが、通常片側卵巣動脈塞栓のみで、両側の卵巣動脈塞栓を施行したという報告は見当たらない。

今回両側卵巣動脈塞栓を施行した子宮筋腫症例を経験したので報告する。

症例は40歳。1G1P。主訴は過多月経、貧血。他院にてGnRHaを施行されている。MRIにて筋腫は筋層内で径105*99*93mm、一部粘膜面に接していた。血管造影では左右の子宮動脈は細く、両側の卵巣動脈が発達していた。術者の判断にて右子宮動脈、両側卵巣動脈をポンピング法で作成したgelfoamにて塞栓した。筋腫の主たる栄養血管である右卵巣動脈は確実に塞栓した。手技に要した透視時間は16.8分であった。UAE後、筋腫の一部がviableとなったが、縮小は良好で過多月経、貧血は改善された。UAE後2年を経過した時点で月経周期に変化なくFSHの上昇も認められなかった。


要するに両側の卵巣動脈を塞栓することなんてめったにないけど、卵巣機能は大丈夫だったよということなんです。