UAE後の妊娠

今年になって以前に私がUAEを行った患者さんが妊娠し出産したとの報告が立て続けに2例ありました。 いずれも自然妊娠でした。

私自身はUAE後も普通に妊娠するのではないかと肌で感じていましたが、確信にはいたっていません。実は最初の10例のUAEのうち2例、3回の妊娠を経験しており(1999年のことです)、以前の病院では39歳、40歳、43歳の出産を経験しているからです。しかも以前の病院の妊娠例はいずれも高齢出産にもかかわらず帝王切開ではなく経膣分娩でした。

妊娠希望者にとってUAEは第一選択にはならないというのは米国の産婦人科がそのような声明を出したからで、理由は出産時に胎盤からの出血や、癒着胎盤のリスクが若干高まるというデータ、および卵巣機能低下の可能性があるという理由からでした。この声明以来、私自身は妊娠希望者に対しては積極的にはUAEを勧めていませんでした。

ところが2010年の9月にこれを覆すような報告がありました。 ポルトガルからの報告でFertility and Sterilityという権威ある婦人科学の医学雑誌に発表されました。

74人の挙児希望者にUAEを行い、44人(59.5%)が妊娠したというのです。(驚き!) 33人が出産し、流産4、人工流産1、死産1とのこと。また、36週での早産2、低体重児5とのことです。出産にいたっていない5人も妊娠継続中。

この報告に関する限り出産時の胎盤からの出血や癒着胎盤は認められないということで、UAEは妊娠希望者には原則行わないという見解が変わる可能があるとUCLAのParker教授はコメントしています。さらにParker教授はUAE後の妊娠にそれほど神経質になることもないともコメントしています。

http://www.fibroidsecondopinion.com/2010/11/pregnancy-after-uterine-fibroid-embolization/