UAE後の妊娠

今年になってから2名のUAE後の出産の報告を受けました。今回新たにUAE後の妊娠を確認しました。1年半ほど前にUAEを行った腺筋症患者さんでした。1年半前なので私が葉山ハートセンターに在職していた時にUAEを行ったのです。患者さんを紹介してくれたのは葉山ハートセンターの院長をしておられた心臓外科医の須磨先生でした。
自然妊娠でした。腺筋症に対するUAE後の妊娠は体外受精で妊娠した1症例のみ経験していたので今回の自然妊娠はうれしさひとしおです。妊娠した場合は報告するようにと言っていましたので外来受診していただき超音波で胎児を確認、心拍も確認しました。
私はうれしさのあまり胎児ばっかりチェックしておりうっかり腺筋症を確認していませんでした。
検査後胎児は問題なく発育していることをお話したあともう一度横になっていただき超音波で腺筋症をチェックしました。腺筋症病変部は残存しているものの以前と比べて縮小していました。さらにカラードップラーで子宮動脈の血流も確認しました。塞栓物質であるゼラチンスポンジは吸収性であるため子宮動脈本幹は再開通する傾向が高いのです。ただし筋腫を養っている腫瘍動脈は再開通しにくい、おそらく腺筋症の場合も同じでしょう。
UAE後の出産を受け入れてくれる施設に紹介状を書きました。
朗報を期待しています。


追記:この患者様はこの後無事に出産されました。帝王切開でしたが癒着胎盤も無く2552gの元気な男の子でした。