,,UAE失敗しました,,,

「○○でUAE、失敗しました。」

というメールを数年前にもらったことがあります。
海外でUAEを受けたという日本人からのメールでした。メールによるとUAEを行ったあとも血の塊のようなものが出ており過多月経や貧血が改善されておらず白血球も増加しており感染をしているのではないかと心配しているという内容でした。血の塊のようなものが出るので過多月経が改善されていない、つまり筋腫が梗塞になっていないのではないか、おまけに感染症をきたしたのではないかという内容です。現地では担当医に診てもらうもののはっきりした回答が得られないと言うことでした。

私は診察をしていないのでなんともいえないが、一時帰国して受診されればどういった状態なのかは説明できますと返信しました。

はたして受診されて造影MRIを撮影したところ筋腫はいずれも完全に梗塞になっていました。
ただ筋腫の一部が粘膜下から子宮内腔に脱落し、いわゆる筋腫排泄の状態になっていました。

私は筋腫はすべてきちんと梗塞になっているのでUAEの手技そのものは成功しています。ただ一部がすこしづつ排泄されていますのでその際に血の塊が一緒に出るのです。大きな筋腫ではないので感染をきたすこともありません。この症状はまもなくなくなります。

と説明しました。

患者さんは安心されて帰国されました。 しばらくして、今まであった症状はなくなり快適に生活していますとメールが来ました。

この国ではUAE後に造影のMRIで評価をしなかったようです。もちろん経過を診ているうちに良くなることは判っていたのかもしれません。でも患者さんは不安になります。この不安を取り除くことも重要です。

同じようなことが最近ありました。在日外国人の患者さんで母国でUAEを行ったのですが、日本に戻ってからどうも調子が悪いというので受診されました。
造影MRIを撮ると筋腫は完全に梗塞になっていましたが、子宮内腔に脱落し、筋腫分娩になっていました。可及的に切除しました。

本国ではUAE後に筋腫分娩となる可能性については説明がなかったそうです。

私はUAE後に筋腫分娩をきたす可能性があるのかないのか、あるとすれば何%程度か、またいつ頃に来たすのかも説明しています。またUAE後は造影ー単純MRIではありませんーMRIを撮ることによって筋腫分娩を来たす兆候も説明しています。

UAE後の造影MRIは必須の検査なのです。