UAE後の妊娠・出産


下の数値は2012年に報告されたUAE後の妊娠・出産に関するデータです。一つはヨーロッパからの報告、一つは日本からです。Piscoらの報告をみると妊娠率が高いことがわかります。一方Kojimaらの報告7.5%ですから高くはありません。論文を読むと判りますが、挙児希望者の中には未婚者や挙児希望といってもできればよくてどちらでもかまわないというケースも含まれており、実際に手技を担当した私も挙児希望とはいえ40歳以上が少なくないといった印象でした。Piscoらの報告には癒着胎盤や低出生体重児ありますが、Kojimaらの報告にはありません。もちろん将来において出現する可能性はありますが、現時点でUAE後の妊娠・出産は安全といっても良いと思われます。塞栓物質ではそれぞれPVA、ポンピング法によるゼラチンスポンジと違いがありますが、共通していることはやや控えめの塞栓をしているという点です。ところでPiscoらは2010年にも同様の報告をしており、当時は挙児希望者74人中44人の妊娠と発表していましたのでこの2年に50人以上の挙児希望者に対してUAEを行っている事になります。彼らは2010年の報告の際に『Pregnancy after UAE appears to be safe : UAE後の妊娠は安全のようである。』と結論していますが、2012年の報告時には『Partial uterine fibroid embolization is safe and efficient with high rate of spontaneous pregnancies (58.7%) and live birth (85.9%).:部分的なUAEは高率な自然妊娠、出産に対して安全で有効である。』と結論しており、妊娠率にも言及しているので、どういった筋腫の症例がUAE後に妊娠しやすいかを体得しているものと思われます。

 


Pisco et al 2012

Kojima et al 2012

挙児希望者

126

295

妊娠

7458.7%):22-43歳 平均36.8

22(7.5%) 30-38歳 平均33.4

出産

5585.9

15(68.2%)

  帝王切開

  3767.3%

  7(47%)

  経膣分娩

  18

  8

自然流産

710.9%

3(13.6%)

人工流産

 1

 0

死産

 1

 0

癒着胎盤

2(3.6%)

 0

低出生体重児

5(6.8%)

 0

妊娠中

10
  4