UAEの技術的成功率

UAEの技術的成功とは『左右の子宮動脈にカテ-テルを挿入し、塞栓物質を注入し得ること。』
と定義されています。
したがって100-200名に一人いるといわれている片側の子宮動脈欠損に遭遇した場合は、片側塞栓で終了するということになりますが、技術的には不成功になってしまいます。なんだかおかしいですね。また子宮動脈にカテーテルを挿入できたのはよいが子宮動脈の攣縮のため塞栓物質を入れることができなかった場合も技術的成功にはなりません。
また明らかに卵巣動脈から筋腫に栄養血管が来ているのに卵巣動脈を塞栓せずに両側の子宮動脈を塞栓すれば技術的に成功になりますが、筋腫は梗塞にならず症状は緩和しないこともあるわけです。
多くの症例をこなせば、子宮動脈の欠損にも遭遇し、技術的成功率は100%になりません。
また卵巣動脈塞栓が必要なケースは3-4%と言われていますのでUAEを100例経験しても卵巣動脈塞栓は3-4例しか経験しないことになります。
UAEを1000例経験すれば卵巣動脈塞栓は30-40例。UAEを3000例経験してやっと90-120例の卵巣動脈塞栓を経験するということになります。
そしてどこまで塞栓するのか?すなわちendpointといわれるさじ加減。教科書や論文にはendpointに関して書かれていますが、実際にはUAE後に造影MRIを撮って筋腫がきちんと梗塞になっていることを確認して、それが正しかったか間違っていたかがわかることなのです。筋腫の梗塞の程度が低ければさじ加減はあま過ぎるというわけです。つまりUAE後の造影MRIの所見をフィードバックして自分のさじ加減が良いのか悪いのかを勉強していくわけです。UAEの上達にはこの繰り返ししかありません。
UAEだけでなく手術も症例数が大事といわれる所以です。数は力なのです。
2014年にエンボスフィアという塞栓物質が保険適応になりUAEも保険でできるようになりました。
エンボスフィアでのUAEはやっと800例になったところです。