透視時間10分以内を目指して

球状塞栓物質であるエンボスフィアは血流にのってゆっくりと末梢に流れていき、粒子径と閉塞する血管径とに相関関係があるためエンドポイントに達するまでどうしても時間がかかってしまい透視時間が(従来のゼラチンスポンジと比較して)延長してしまいがちでした。これは球状塞栓物質の扱いに精通していなかったとも言えます。これを打破するのが目標でした。つまりUAEの透視時間を10分以内で!が自らに課した目標でした。
先週、今週と9症例を自身のみが施行した症例では

8分6秒 4分48秒 19分24秒 7分12秒 9分48秒 4分54秒 6分42秒 8分48秒 9分

でした。

19分24秒かかった症例は卵巣動脈も塞栓したケースでした。

ほぼ目標を達成しました。

常に前進したいと思います。

調布恵仁会クリニックでのUAE

2016年4月15日に調布恵仁会クリニックを開院。以来ほぼ満床で経過し765症例を施術。うち3名の方が自然妊娠され無事出産されました。塞栓物質であるエンボスフィア使用での透視時間も本日は平均約9分(9分6秒)で私が目標とする10分以内を達成しつつあります。UAEのメリットは腹腔内操作がないため癒着ができにくいことであり、デメリットは放射線被曝があることです。したがってデメリットである放射線被曝をできるだけ少なくすること、すなわち手技に要する透視時間を短くすることが課題と考えて今までやってきました。UAEは個人技であることも私の性分に合っていました。
お陰様で1998年10月に第一例を経験して以来、3500症例を経験。UAEに従事して21年目になります。


最短の時間、最小の放射線被ばくで

2018年1月25例、2月24例を施行。3月は25例が予定されており年間300例のペースで順調に施術しております。塞栓物質のエンボスフィアは極めて優れた薬剤で血管に優しくゼラチンスポンジと比較して炎症性変化が少なく、かつ術後の痛みも少ないのですが、血流に乗ってゆっくりと流れていくために、どしても施術に時間がかかっていました。しかし、熟練することにより、最近では透視時間が10分を切るようになってきました。私のゼラチンスポンジでのUAEの平均透視時間は8.5分です。今週は7例をエンボスフィアで行い平均透視時間が9.86分でした。尚、経験したUAE症例数は3300例、うちエンボスフィアでのUAE症例は1104例になりました。

エンボスフィアを塞栓物質としたUAEの透視時間

2018年1月は26症例のUAEを施行しました。手技的には全例成功(子宮動脈が欠損している症例は除く)しており手技に要した透視時間は6分から23分で平均11.92分(11分55秒)でした。

明けましておめでとうございます。

調布恵仁会クリニックがオープンされて今年の4月でまる2年になります。
初年度2016年4/16-2017年3/31までに308症例、2017年1/1-2017年12/31までに302例と年間300例ペースでUAEを施行しています。初期成功率は100%でした。(統計的には子宮動脈の欠損がありますので100%にはなりませんが、要するに挿入できなくてあきらめた症例はありません。)手技に関しての大きな合併症なし。術後感染による子宮全摘なし。肺塞栓症なし。UAE後1週間での歩行障害、構音障害を1例に経験しましたが改善傾向でUAEとの因果関係は明らかでありませんでした。2018年もよろしくお願いいたします。

UAE後の妊娠・出産~最新のデータから~

http://pubs.rsna.org/doi/abs/10.1148/radiol.2017161495

UAE施行時の平均年齢35.9歳で妊娠率が40%というのはかなり驚異的な数字。

しかもUAE施行後ほぼ2年以内に妊娠しており、出産時の異常も多くない。

塞栓物質はPVAもしくはビーズ(エンボジーン;エンボスフィアと同じビーズと考えてよい。)で吸収されない塞栓物質が使用されている。(この論文では大部分がPVA)

挙児希望に配慮したUAEをpartial UFEと呼び控えめな塞栓となっている。
そうでないUAEをconventional UFEと呼んでいる。

partial UFEの妊娠率は46.3%、conventional UFEの妊娠率は37.7%。

透視時間の平均は8.5分とかなり早い。(これは私のゼラチンスポンジでのUAEの透視時間と同じ。論文では大部分がPVAが使用されているので早さは私と大差はない。エンボスフィアを塞栓物質として使用するとこの速さでやるのは困難。ただし不可能ではない。最近私は7分台で行うこともある。)

子宮腺筋症に対してUAEを行い、妊娠出産に

>>先生またお世話になります。
>>宜しくお願いします。
>>腺筋症の方の希望になれば幸いです。
>>5歳になりました。
...
9年前に私が葉山ハートセンター在職中にUAE を行った患者さんがひょっこり調布に来院しました。子宮腺筋症の患者さんでした。今回腺筋症が再発したとの事。診察室に入る前にカルテを見ているうちに思い出したのですが、当時の病院長であった心臓外科の須磨久善先生からのご紹介患者さんで、UAEを行い腺筋症症状が改善したのみならず念願の妊娠そして出産にこぎつけたのです。出産は確か42歳か43歳の時です。5歳になる坊やの写真も見せてくれました。(FBに出してもOKまでいただきました。)

お産は私が信頼する先生に頼みました。高齢出産、腺筋症合併、UAE後というハイリスク妊娠出産です。癒着胎盤、胎児胎盤位置異常などの異常が多くなる可能性が高くなることも含めてお願いしたのですが、お産を受け入れてくれた産科医はそれ以前に私のUAEを見学に来てくれた先生でもあります。余談ですが私のUAEを見学に来てくれたのはどちらかというと放射線科医よりも産婦人科医の方が多いのです。

私の外来を受診される患者さんはどういうわけかのんびりとした方が多く、もちろん仕事や育児も理解できますが、2か月先とか3か月先、極端になると来年とか、筋腫そのものが命にかかわらないのはわかりますが、、、。様子を見て小さくなることはまずないのに、、。まあ患者さんの意思を尊重してはいますが。

UAEの利点の一つに腹腔内操作がないため癒着を作りにくく、再度可能であるということが挙げられます。

この方は受診されて即決断ー翌週施行予定ーされたのですから、腕💪によりをかけてUAEをしなくては(笑)!