UAE後の感染と筋腫排泄

UAEで一番嫌なのは感染です。 感染する可能性が1-2%ありますよ。と患者さんに説明するとやっぱり心配するでしょう。
でも多数の経験から感染する場合とそうでない場合がはっきりとわかってきました。

粘膜下筋腫、もしくは粘膜にちょっと顔を出している筋層内筋腫が感染する場合があります。
逆に言えばしょう膜下筋腫、粘膜面に顔を出していない筋層内筋腫は感染しません。

というのは、そもそも子宮粘膜というところは外陰部と交通があるので細菌がいるのです。
粘膜下筋腫、粘膜面に顔を出している筋層内のUAEは無菌的操作でないということになります。
小さな粘膜下筋腫、たとえば径3-4cmの粘膜下筋腫ならば感染症状なしに排泄されることが多いのです。粘膜面に顔を出していても径6cmまでなら排泄されて感染症状はきたさないことがわかってきました。

要するに、筋腫が粘膜面に顔を出しているか否か。 顔を出している筋腫は何センチあるのか。
UAE前のMRIでここを見極めます。

それから患者さんが分娩の経験があるかどうかです。 子供を産んでいると子宮口が開きやすいので筋腫もつっかかえることなく排泄されます。

つっかかえるとことをsloughingと呼んでいます。sloughingをきたすと子宮につっぺができて内部で細菌が繁殖してしまいます。sloughingを来たさなければドレナージされて細菌は子宮の外に流されるので感染を来たしません。

6cm以下なら子供を産んでいようがいまいがsloughingをきたしません。
子供を産んでいる人、つまり経産婦であれば10cmまでが安全圏です。

でも超音波だけでの判断は禁物です。 超音波で12cmあると言われてもMRIで正確に計測すれば10cmだったと言うこともあるのです。また超音波で9cmといわれてもMRIでは10cmを超えていることもあります。

超音波とMRIのどちらが正確なのでしょうか?

もちろんMRIです。

ところで筋腫の排泄には大きく分けて3つの排泄形式があることがわかってきました。