子宮筋腫に対するUAE

子宮動脈塞栓術(UAE)でもっとも大切なのは適応です。UAEの手技は左右の子宮動脈にカテーテルを挿入し、塞栓物質を流し込む。極めてシンプルです。たったこれだけのことです。ほとんどの女性が右と左にそれぞれ1本の子宮動脈があります。私は外来で患者さんに『UAEそのものはどうって事はありませんよ。大切なのはUAEをして患者さんがよかったと思うこと。つまり適応なんです。』とお話しています。ではどういった子宮筋腫が適応外なのか。 1.挙児希望で核出術が可能、もしくは核出術が妊娠出産に有利と思われる例 2.症状の乏しい子宮筋腫 3.大きすぎる筋腫(おおよそへその高さぐらいまでなら適応内) 4.10cmを越える粘膜下筋腫もしくは筋層内筋腫で粘膜面に近いもの(未産婦の場合は8cm) 5.LDHが高値で変性が著明な腫瘍 6.手術適応の付属器腫瘤がある などです。 上記にしたがって診察をした結果、2014年度は約320名の初診患者さんに対して196名にUAEを行いました。つまり60%がUAE適応と言うことになります。 初診患者さんはほとんどの方が他院で子宮筋腫と診断され、手術を勧められていました。この場合の手術とは全摘ですので子宮全摘と言われた患者さんの6割がUAE適応になる。裏を返せば4割は適応外ということになります。