数字で見る子宮筋腫に対するUAE

2020年1月は10例のUAEを施行しました。順不同ですが数字で見てみましょう。



 透視時間 手技時間  被曝線量(mG)   使用したエンボスフィア(本)
 9分30秒 41分 231 6
 7分54秒    40分 178 6
 12分48秒 53分 547 5.4
 6分48秒 40分 202 1.7
 6分54秒 47分 158 3
 11分6秒 53分 325 3.8
 16分54秒 75分 154 7.2
 7分48秒 45分 58 1.5
 8分6秒 45分 129 3.4
 8分42秒 52分 340 6

このうち、透視時間が12分48秒、16分54秒かかった2症例は片側の卵巣動脈塞栓も行っています。被曝線量は透視時間が長くなるほど増えますが、患者さんの体格によっても左右されます。(一般に痩せている人ほど少なく、筋腫が小さいほど少ない)
使用されるエンボスフィアの量も筋腫が大きく、血管に富んでいるほど多くなる傾向があります。
手技時間というのは消毒開始から止血終了までの時間です。カテーテルが挿入されてから抜くまでの時間ではありません。つまり動脈の穿刺や止血に手間取っていると手技時間は長くなってしまいます。
ここには出していませんが、エンボスフィアは造影剤で希釈するので使用量が増えるほど使用した造影剤の量は増えます。およそ70㏄から150㏄位と考えてください。
つまり子宮筋腫のUAE手技はすべて数字で表されるのです。

調布恵仁会にてUAE1000症例以上

開院以来3年はゴールデンウイーク返上でやってきて毎週2日ほどは泊まり込み、年間300例ほどのUAEを行い、ほぼ満床状態を維持してきました。4年目は少しのんびりとやらせていただき人並みにゴールデンウイークは休ませていただきました。そのせいかどうかは知りませんが本年は200例を上回る程度で塾頭自身余裕もでてきて全体を見渡せるようになりました。突っ走るだけがいいとは限りません。累積した患者さんがおりますので外来は相変わらずです。海外在住の患者さん、音楽家、芸能関係の患者さん、ドイツ、ロシア、イラン、中国出身の患者さんもいらっしゃいました。スタッフの看護師さんはIVR学会のエキスパートナースを取得、塾生石川先生はIVR学会で優秀演題featured articleに選出、塾生浅野先生はアウエーでの施術といつのまにか形ができてきました。夜勤・当直には大学病院から看護師さんが来てくれていますが、UAE後の患者さんの状態はどうであるかを知っていただきました。塾頭自身は特に何もしていないのですが。(笑)
塾生らが施術し塾頭はそばをうろうろして小言を言っております。

UAE市民公開講座

まもなく開院以来1000症例

  2019年9月  2016年4月

1  6分8秒   14分48秒  
2  7分      11分42秒
3  6分48秒    16分
4  8分6秒   18分6秒
5  6分54秒    21分
6  6分54秒    20分48秒 
7  5分54秒    16分12秒

この数字を見ていただきたい。
調布恵仁会クリニック開院以来のUAEの透視時間です。
2016年4月に開院し、まもなく1000症例になります。私自身は1998年からUAEを行っておりのべ3600症例を超えています。
子宮動脈は内腸骨動脈もしくはその分枝(下臀動脈です。)から分岐し、前方に向かって比較的急角度で分岐します。調布恵仁会で行ったUAEの血管解剖を見直すと欧米から発表されている分岐形式とは違っていることがわかりました。

子宮動脈は 下臀動脈の第1分枝45% 3分岐(下臀動脈、上臀動脈、子宮動脈が同時に分岐)43% つまり下臀動脈第1分枝もしくは3分岐でほぼ9割→海外

子宮動脈は 下臀動脈の第1分枝72% 次が内腸骨動脈から直接16%→日本

上臀動脈を越えると下臀動脈になりますから、とにかくカテ-テルは上臀動脈を越えてしまえばよい。(7割以上の確率でそこに子宮動脈があります。)造影してそこに子宮動脈がなければカテーテルを引き戻せばよい。ことになります。

これが判ってから私は格段に早くなりました。さらにUAE前にMRIで血管も描出すれば前もってどこから子宮動脈が分岐しているのかがおおよそ判ります。
この日本人における子宮動脈の血管解剖をまとめて明らかにしてくれたのがUAE瀧塾塾生の石川源先生です。この成果を石川源先生は日本解剖学学会、日本産婦人科学会、日本IVR学会等で発表してくれています。

透視開始からカテ-テルが子宮動脈分岐部まで到達が1分 マイクロカテ-テルが子宮動脈分岐部を通過し子宮動脈水平枝遠位到達まで2分を達成しています。
次の課題はいかに使用する造影剤を少なくするかです。


UAE公開講座

2019年7月24日(水曜)午後3時から4時頃まで

UAE公開講座を行います。開院以来(2016.4.15~)946例になりました。

調布恵仁会クリニック開設以来3年と2か月が経ちました。この間938件のUAEを施行することができました。
本年5月に福岡で開催された第48回日本IVR学会総会のシンポジウムで日本におけるUAEの現況の中で日本全国で行われているUAEの半数が私の手によるものであることが報告されました。
さらに学会総会で本院での症例をもとに日本医大の石川先生の演題が名誉あるfeatured articleに選出されました。
私の元で5年以上にわたって助手(現在は術者としてもUAEを行っている)アルテミスウイメンズホスピタルの浅野先生がIVR学会UAEガイドライン作成委員に選出されました。
矢嶋看護師はインターベンションエキスパートナース試験に一発合格(恵仁会グループ初の快挙です)と少しづつ形になってきました。
当然私も少ない被ばく線量、少ない造影剤使用、迅速な手技を常に考えて透視時間はだいたいの症例で10分以内で施行するようになってきました。決して急いで行うのではなく無駄なことをしない。基本に忠実にする。患者さんの利益を考える。これが最終的には社会貢献につながるわけです。

2019年度のUAE

外科手術と同じでUAEも全症例に報告書を作成しています。使用した塞栓物質、手技時間(これは消毒開始から止血終了まで)、透視時間、被ばく線量、さらに使用した造影剤の量にわたって記載しています。
外科手術であれば、出血量〇〇㎖と記載されます。
UAEも同じように、手技時間、透視時間、被ばく線量、造影剤量も数字ではっきりと出ます。
数字ではっきりと出るのですから素人にもわかります。ここにUAEの厳しさがあると思っています。
本日は3症例でした。すべて10分以内の透視時間、45分以内の手技時間、100㎖以内の造影剤使用量、被ばく線量も65-111mGでした。
常に前進したいと思います。