あけましておめでとうございます。

あけましておめでとうございます。

2010年は5月中旬より府中恵仁会病院にて東京UAEセンターの名称をいただき診療に励んでまいりました。おかげさまで約半年間で府中恵仁会病院のみで61症例のUAEを施行することができました。

2011年は1月4日より通常どおり診療を行って参ります。

12年を振り返って

私が子宮筋腫のUAEに着手したのが1998年10月でしたから今は13年目になります。この12年間を振り返ってみたいと思います。
1998年10月の第一例目は6人の医師がチームを組んで行いました。私が一番下っ端でした。1名はフランスでUAEの経験がありました。1名は選択的子宮動脈造影用カテーテルを自ら開発し100例以上の造影経験があり、悪性腫瘍に対する動注塞栓療法の経験がありました。私は子宮動脈に関しては数例の動注塞栓療法の経験しか持ち合わせていませんでした。あとの3名は婦人科医です。当時はUAEが将来どうなるかということに関してはまったく予測ができませんでした。つまりUAEをライフワークにしようとか研究しようなどとは考えていなかったのです。症例に関しても婦人科サイドが決めていました。 多数の筋腫の症例はだめ。大きすぎるのもだめ。 こういったものは手術するのが最適という考えでしたので、筋腫の個数も少なく、大きさも比較的小さいものがほとんどでした。
これがよかったのです。合併症などなくいつしか50-60例目になっていました。もちろん成績もよかった。
今でこそ学会で、どういった症例がUAEに適しているか、どういった症例は適応でないかが論じられていますが、当時はほとんどといっていいほど論じられることはありませんでした。

私にとってUAEの魅力は手技がsimpleであるということです。左右の子宮動脈にカテーテルを入れて塞栓物質を流し込む。これだけのことです。
大動脈内でループを形成し、1本のカテーテルで左右の子宮動脈に挿入する。いかにスピーディに操作を行うかを毎日イメージしていました。寝る前も毎日イメージしていました。
UAE経験が3-4年目になる頃はスピードを考えていました。つまりできるだけ短い透視時間でおこなう。最短何分でできるかを考えていました。そのころは透視時間3分台を連発していました。
3分を破ることは難しいだろうと思っていました。
ある時、ガイドワイヤーがするすると子宮動脈に入りました。そのままカテをかぶせて塞栓。反対側も容易に挿入でき塞栓。2.5分でした。
その後2.2分という時もありましたが2分の壁は絶対に無理だろうと思っていました。
でも毎日イメージしていかに無駄を省くかを自分勝手に考えていました。
私の最短透視時間は1.8分です。2分以内の透視時間でUAEを施行したのは3-4症例あったと思います。
説明をするのはちょっと難しいのですが、当時はきわめて“本能的”にUAEを行っていたように思います。診断学がscienceならば治療はart、特に外科手術はartの要素が大きい。artisticにUAEを行っていました。2分以内の透視時間でUAEが可能とわかった時点で、時間と戦うことはやめました。
artの部分は十分だ。scienceの部分を取り入れようと思ったのです。

UAE近況

先週は8症例のUAEを行いました。新横浜のアモルクリニックでもUAEを施行させていただいていますが、以前アモルクリニックでUAEを受けた方が、このたび出産したとの報告を受けました。通常の妊娠-出産だったとのことです。今週、来週と東京UAEセンターでは4症例が予定されています。外来の状況によってはさらに増えるかもしれません。
現在、年間おおよそ200症例弱のペースでUAEを行っているので来春頃には2000症例を突破すると思いますが、安全を第一に施行して行きたいと思っています。

UAE近況

東京UAEセンターでは先週、今週と立て続けに4症例を行い、半年あまりでUAE症例が50例を超えました。本日は外勤で午前午後あわせて5症例のIVR、1症例の診断カテを行いました。
全てのカテーテル検査・治療をいれるとこの2週間で16症例でした。毎日1度はカテーテルを握る計算になります。この程度行えば指先に感覚がうずくようになります。楽器の演奏でもそうですが、数日手を触れないでいると本調子になるまで時間がかかってしまいます。ゴルフなどのスポーツでも同じでしょう。
今年も残すところあと4週間となりましたが、12月はすでに8名のUAEが予定されています。実を言うとまだまだ余力があります(私にも病院にも)。過去の例を挙げると1施設のみで1ヶ月25名のUAEを行ったことがあります。
外来患者さんから「いつUAEができますか?」と尋ねられることがしばしばあります。「来週」と答えると、「え?そんなに早く?」 とか 「心の準備ができていない。」 といわれることもあります。
どうぞ、心の準備をしてから外来を受診ください。

市民講座

11月13日(土曜)の市民講座はおかげさまで盛況でした。子宮筋腫・子宮腺筋症に対する動脈塞栓術に関してわかりやすく解説したつもりでしたが、なにぶん限られた時間内で行わなくてはならず、至らなかった点もあったことと思います。
かなり専門的な質問もありましたが、なんとか回答したつもりでおります。
特に子宮腺筋症に関しては豊富なデータを持っているのですが、詳しく解説しているととても1時間や2時間では終わりません。
本日は午前中に3症例のUAEを行いました。フラットパネル搭載の最新型血管撮影装置はさずがによく見えます。しかもモニターを見ていても目が疲れない。透視時間はいずれも10分程度で、放射線被曝量は100~200mGでしたので、卵巣被曝は30%としても30~60mG,つまり3~6cGでこれはジョージタウン大学から発表された平均23cGを大幅に下回ります。
以前、当院で循環器科の先生がUAEの助手に入られたことがあったのですが、今日も部屋越しに見学されていました。モニターは血管造影室の外にもありますのでカテーテル操作や塞栓物質注入は見ることができるのです。
その循環器科の先生が腸骨動脈の動脈瘤のコイル塞栓術を行ったときは助手としてお手伝いさせていただきました。こうやって院内においても技術交流を行っていきレベルアップしていきたいと思います。最終的に患者さんの利益につながりますし、病院もレベルアップしていく。
こういった環境つくりにも尽力していきたいと思っています。
市民講座は次回も近日行う予定でいます。

UAE希望者

この5ヶ月間で恵仁会病院で40名以上の患者さんにUAEを行いました。外来受診の時点ですでに筋腫もしくは腺筋症と診断されている方がほとんどです。

実際外来受診患者さんの3-4割がUAE適応になっています。つまり6割の患者さんはUAE適応にしていません。理由は

1.UAEを行うには大きすぎる
2.挙児希望で核出術の方が妊娠・出産に有利
3.あえてUAEを行わなくても投薬等で閉経に持ち込める

等です。

私は腹腔鏡下筋腫核出術、子宮鏡下筋腫核出術、腺筋症核出術の適応があると思われた患者さんには、その手術の上手な先生を紹介しています。もちろん紹介状も書いています。当たり前のことですが。

ところで、現在UAEに保険適応がなく、充分普及していないため患者さんは子宮全摘を薦められてからネット等で検索してUAEを考慮するのが実際だと思います。

将来は、子宮全摘を希望しないからUAEを希望するのではなくて、UAEの適応がないために子宮全摘を考慮するという時代になるかもしれません。

UAE 公開講座のお知らせ

平成22年11月13日(土曜)に公開講座を行います。子宮筋腫、子宮腺筋症の最新治療であるUAEに関してわかりやすく説明します。いかなる質問にも回答いたします。