経験したUAE症例数

1998年10月からUAEを行っています。 経験した症例数は1800例を超えたようです。
正確な数字はわかりません。というのは招聘されて複数の病院でUAEを施行した数をはっきりと覚えていないからです。
来年までには2000症例を行うつもりでがんばっていきます。
来週は6例、再来週は7例がすでに予定されています。
今後、日本においてUAE症例、UAEの良い適応となる症例は増加していくと思います。
なぜかというと、ある理由があるからです。でもまだ確信がもてません。
そのうちにその理由をここに書きたいと思います。

日々是UAE

今週は5症例のUAE、来週は月、火で5症例、来週週末に1症例を大阪の病院に招聘されて行う予定です。 特別困難でなければ透視時間は10分以内、カテーテル挿入から抜去まで20分以内で終了させます。

UAEは21世紀の子宮筋腫治療の大きな柱となると考えています。

なぜ、こう言えるのかというと、歴史を考えればわかります。

子宮筋腫に対するUAEが発表されたのは1995年でフランス発でした。日本で最初に行われたのが1997年です。
1995年に発表されたと言うことは少なくともその数年前には実施されたわけで、日本はフランス、アメリカから5年ほど遅れているといえます。
逆に言えば、フランス、アメリカは日本より5年ほど先んじており、そのフランス、アメリカでUAEはすでに標準的治療になっているからです。

後5年すれば日本でもUAEが標準的治療になるとは断言しませんが現在よりは認知されると思います。

両側卵巣動脈塞栓の経験

子宮動脈塞栓術の際に、卵巣動脈も塞栓する場合があるとこのブログで書いたことがあります。

通常は片側だけの卵巣動脈塞栓にとどめるのですが、左右の卵巣動脈を塞栓した経験があります。いつか発表しようと思いますと書いた覚えがあります。
http://uae-ivr.blogspot.com/2010/03/blog-post.html

7月10日に発表する予定となりました。

第5回日本IVR学会関東地方会 
http://www.jsivr-kanto.jp/pdf/5th_program.pdf

【子宮筋腫に対し両側卵巣動脈塞栓を施行した1症例】


子宮筋腫に対する動脈塞栓術では数%にて卵巣動脈付加塞栓を施行する場合があるといわれているが、通常片側卵巣動脈塞栓のみで、両側の卵巣動脈塞栓を施行したという報告は見当たらない。

今回両側卵巣動脈塞栓を施行した子宮筋腫症例を経験したので報告する。

症例は40歳。1G1P。主訴は過多月経、貧血。他院にてGnRHaを施行されている。MRIにて筋腫は筋層内で径105*99*93mm、一部粘膜面に接していた。血管造影では左右の子宮動脈は細く、両側の卵巣動脈が発達していた。術者の判断にて右子宮動脈、両側卵巣動脈をポンピング法で作成したgelfoamにて塞栓した。筋腫の主たる栄養血管である右卵巣動脈は確実に塞栓した。手技に要した透視時間は16.8分であった。UAE後、筋腫の一部がviableとなったが、縮小は良好で過多月経、貧血は改善された。UAE後2年を経過した時点で月経周期に変化なくFSHの上昇も認められなかった。


東京UAEセンター  Tokyo UAE Center

きらない子宮筋腫・子宮腺筋症治療のホームページの英語バージョンができましたのでリンクしておきます。

タイトルをクリックすると移動します。

実はまだ完成していません。

少しずつ作っていこうと思います。

技(わざ)は盗むものか?

いいえ、ちがいます。

よく、調理人の修行時代に『技は盗むものであって、鍋の片隅に残ったソースをなめてみて研究したものだ。』、などというエピソードがありがちです。
とかく技ともなると徒弟制度やら上下関係やらで一人前になるまで血と汗の涙ぐましい努力が語られがちです。
『技は教えてもらうものではない。師匠から盗むものだ。』
という声があることは否定しません。

幸い、私はこのような環境とは無縁で、実に合理的にUAEを含む、IVR、血管撮影技術を習得しました。
合理的に、患者さんに最小限の侵襲でもちろん短時間に手技を終了させることを学びました。
もちろんカテーテル治療を専門とする放射科医の指導もありましたが、(それが大きな比重を占めていることはもちろんです。)外科、内科、婦人科医との日頃のコンタクトが無視できないほど大きかったといえます。

たとえば動注リザーバーの植え込み術は皮膚を切開し、ポートを皮下に固定します。小さな外科手術です。切るからには出血があるのですが、どうすれば出血が少なくてすむか、どうすればポートを固定できるか、皮下の剥離をどのようにすればいいのかなどは外科医から学びました。

カテーテルには押す、引く、右に回す、左に回す、とこの組み合わせしかありません。(ガイドワイヤーも同じです。)
ガイドワイヤーは金属でできているのでカテーテルから出る瞬間は針のように突き通す力があります。どうやってガイドワイヤーを安全にカテーテルから出せばいいのでしょうか?

ガイドワイヤーをカテーテルから出さないで、ガイドワイヤーを固定したままカテーテルを引き戻せばいいのです。そうすればガイドワイヤーはカテーテルから出ますね。

こんなことは基本中の基本です。

何度挿入を試みても目的とする血管に入らないのは腕が悪いのではなくてカテーテル(もしくはガイドワイヤー)の形状が合わないのです。 人間は面白いもので入らなければ何とか入れようとして時間を浪費します。撤退することがなかなかできないものなのです。カテーテル(もしくはガイドワイヤー)の形状が合わないならいくらやっても入りませんのでカテーテルやガイドワイヤーを交換するとか形状を変えるとかしないといけません。

穿刺もそうです。 大腿動脈を針で穿刺する。ところが血管に当たらない。 おかしい?と思ってもう一度穿刺する。 やっぱり当たらない。 首をかしげる。 もう一度、、。

何度やっても血管には当たりません。 穿刺した場所には血管が走っていないからです。
穿刺する部位を変えるか穿刺の角度を変えるかしないと血管には当たりません。
採血も同じです。

最近はライブ中継といって心臓カテーテルのライブが行われています。 もちろん心臓の血管内の操作がメインだと思います。

でも私は名人といわれる術者の“穿刺”を見てみたいです。

案外“穿刺”の場面は省略されているかもしれません。

指導医は技をなす基本をしっかりと伝えなくてはいけませんね。

鍋についたソースの作り方の素材の配合は教えてあげればいいのです。 

UAEライブ

ネットが発達したおかげで今までは決してみることができなかった手術や医療技術を見ることができるようになりました。
特に放射線科の分野はモニターを利用するので画像を転送と言う手段によって配信できます。
2003年、葉山ハートセンター時代に科学医療フロンティアという番組を作成しました。
サイエンスチャンネルというところからの依頼でした。
UAEのライブが収録されています。
私はありのままを映すように頼みました。それから穿刺の部分も映すようにと。
実はこの穿刺が意外と難しいのです。心理的なプレッシャーがあるのです。
穿刺が成功したら手技の半分は終わったと思って差し支えありません。

UAE後の感染と筋腫排泄

UAEで一番嫌なのは感染です。 感染する可能性が1-2%ありますよ。と患者さんに説明するとやっぱり心配するでしょう。
でも多数の経験から感染する場合とそうでない場合がはっきりとわかってきました。

粘膜下筋腫、もしくは粘膜にちょっと顔を出している筋層内筋腫が感染する場合があります。
逆に言えばしょう膜下筋腫、粘膜面に顔を出していない筋層内筋腫は感染しません。

というのは、そもそも子宮粘膜というところは外陰部と交通があるので細菌がいるのです。
粘膜下筋腫、粘膜面に顔を出している筋層内のUAEは無菌的操作でないということになります。
小さな粘膜下筋腫、たとえば径3-4cmの粘膜下筋腫ならば感染症状なしに排泄されることが多いのです。粘膜面に顔を出していても径6cmまでなら排泄されて感染症状はきたさないことがわかってきました。

要するに、筋腫が粘膜面に顔を出しているか否か。 顔を出している筋腫は何センチあるのか。
UAE前のMRIでここを見極めます。

それから患者さんが分娩の経験があるかどうかです。 子供を産んでいると子宮口が開きやすいので筋腫もつっかかえることなく排泄されます。

つっかかえるとことをsloughingと呼んでいます。sloughingをきたすと子宮につっぺができて内部で細菌が繁殖してしまいます。sloughingを来たさなければドレナージされて細菌は子宮の外に流されるので感染を来たしません。

6cm以下なら子供を産んでいようがいまいがsloughingをきたしません。
子供を産んでいる人、つまり経産婦であれば10cmまでが安全圏です。

でも超音波だけでの判断は禁物です。 超音波で12cmあると言われてもMRIで正確に計測すれば10cmだったと言うこともあるのです。また超音波で9cmといわれてもMRIでは10cmを超えていることもあります。

超音波とMRIのどちらが正確なのでしょうか?

もちろんMRIです。

ところで筋腫の排泄には大きく分けて3つの排泄形式があることがわかってきました。