子宮動脈塞栓術の利点に、おなかを切らない、子宮が温存される、短期間で社会復帰できる、、などいろいろありますが、最も大きな利点の一つが、癒着を作りにくいということです。
もちろん絶対に作らないとはいえませんが、その頻度はきわめて少ないと考えられます。
開腹手術の場合は必ずといっていいほど腸に癒着ができます。また本来腹腔は空気に触れていませんが、開腹手術をすれば空気に触れます。空気に触れたことがなかった臓器が空気に触れるということは生理的なことではありません。
以前私は腸閉塞(イレウスといいます。)の患者さんの腸の造影をしたことがあります。その患者さんは過去に一度だけ開腹手術をしたことがありました。子宮筋腫のため子宮全摘をした患者さんでした。もっとも当時はUAEどころか腹腔鏡手術も普及していない時代でした。
開腹手術による腸の癒着が原因となりイレウスを起こすことがあるのは医学の常識です。おなかはどうしてもあけなくてはならない場合を除いては極力開けないほうがいいのです。
もちろん子宮動脈塞栓術の後の癒着は0とはいいません。
私は12年間、1850名以上の患者さんにUAEを行ってきましたが、そのあとでイレウスを起こした患者さんはいません。もちろん将来も絶対に起きないという保障はありません。
血管カテーテルで子宮筋腫・子宮腺筋症を治療しています。1998年より子宮動脈塞栓術(Uterine Artery Embolization・UAE) に従事し25年目となり、4100症例以上を経験させていただき(202年1月現在)、常に正確で安全な治療を提供すべく努力しています。子宮筋腫・子宮腺筋症の開腹手術を希望されない方は、お早めに受診下さい。UAEに関するあらゆる質問に即答いたします。 UAEは保険適用です。
府中恵仁会病院の血管カテーテル室
子宮筋腫・子宮腺筋症に対する治療にはいくつかの方法がありますが、放射線被曝があるのはUAEだけです。 簡単に言えばこれはデメリットになります。
特に卵巣への被曝は問題になることがあります。なぜなら卵巣は放射線感受性が高い臓器で、たくさん被曝すると機能低下してしまうからです。
こう聞くとなにか恐怖心が起きてしまいそうですが、よく理解すれば怖がることはありません。
以前このブログで米国ジョージタウン大学でのUAEの平均卵巣被曝が23cGであると書きました。
cはセンチですからm(ミリ)にすると230mG (Gはグレイ:吸収線量を表す単位)になります。
230mG程度の被曝であれば卵巣機能はもとより、発がん性や、遺伝的な影響は考えなくても良いとされています。
府中恵仁会病院の血管造影装置は被曝線量をリアルタイムに表示するのです。もちろんこの表示された線量は卵巣にかかった被曝線量ではありません。 表示された線量の10-30%程度が卵巣被曝になると考えられています。
また治療時にはパルス透視といって、ずっと放射線が出ているのでなく、パルス状に断続的に放射線を出す方法をとり被曝軽減を図り、さらに絞りを使用し、卵巣付近には当てないようにしています。
塞栓物質を注入している時は、カテーテル先端だけの透視でもいいので絞りを最大活用し透視部位を極端に狭くします。
9分程度の透視時間でUAEを終えた患者さんがいました。 血管造影装置に表示された被曝線量は180mGでした。その10-30%が卵巣被曝とすれば18mG-54mGということになります。
c(センチ)に直すと1.8cG-5.4cGとなりジョージタウン大学から発表された平均23cGを大幅に下回ることになります。 もっとも患者さんの体格によって線量は変わりますからある程度の誤差はありますが、まず被曝を心配する必要はありません。
いつか症例を蓄積してフラットパネル搭載の最新型血管造影装置によるUAE時の被曝線量に関して学会発表をしようかと考えています。
ちょっと自慢ですが、府中恵仁会病院のカテーテル室はテレビドラマのロケでも使用されるぐらい立派です。もちろん血管造影装置もフラットパネル搭載の最新式です。フラットパネルにより従来の血管造影装置の1/2~1/3の被曝線量で明瞭な画像ができます。
私は恵仁会病院の血管カテーテル室、血管造影装置を一目見ただけで、最高レベルのUAE手技ができると確信しました。(これが赴任することになった理由の一つでもあります。)
もう一つ自慢があります。 UAE手技のスタッフは私以外は全員女性です。 診療放射線技師も女性です。有能な放射線技師は患者さんの卵巣に被曝しないように絞りを最大限に活用してくれます。女性だからこそわかるのかもしれません。
でも被曝が少ないということは術者やスタッフも助かります。(私たちも被曝するのですから。)
タイトルをクリックすると血管カテーテル室を(ちょっとですが)見る事ができます。
特に卵巣への被曝は問題になることがあります。なぜなら卵巣は放射線感受性が高い臓器で、たくさん被曝すると機能低下してしまうからです。
こう聞くとなにか恐怖心が起きてしまいそうですが、よく理解すれば怖がることはありません。
以前このブログで米国ジョージタウン大学でのUAEの平均卵巣被曝が23cGであると書きました。
cはセンチですからm(ミリ)にすると230mG (Gはグレイ:吸収線量を表す単位)になります。
230mG程度の被曝であれば卵巣機能はもとより、発がん性や、遺伝的な影響は考えなくても良いとされています。
府中恵仁会病院の血管造影装置は被曝線量をリアルタイムに表示するのです。もちろんこの表示された線量は卵巣にかかった被曝線量ではありません。 表示された線量の10-30%程度が卵巣被曝になると考えられています。
また治療時にはパルス透視といって、ずっと放射線が出ているのでなく、パルス状に断続的に放射線を出す方法をとり被曝軽減を図り、さらに絞りを使用し、卵巣付近には当てないようにしています。
塞栓物質を注入している時は、カテーテル先端だけの透視でもいいので絞りを最大活用し透視部位を極端に狭くします。
9分程度の透視時間でUAEを終えた患者さんがいました。 血管造影装置に表示された被曝線量は180mGでした。その10-30%が卵巣被曝とすれば18mG-54mGということになります。
c(センチ)に直すと1.8cG-5.4cGとなりジョージタウン大学から発表された平均23cGを大幅に下回ることになります。 もっとも患者さんの体格によって線量は変わりますからある程度の誤差はありますが、まず被曝を心配する必要はありません。
いつか症例を蓄積してフラットパネル搭載の最新型血管造影装置によるUAE時の被曝線量に関して学会発表をしようかと考えています。
ちょっと自慢ですが、府中恵仁会病院のカテーテル室はテレビドラマのロケでも使用されるぐらい立派です。もちろん血管造影装置もフラットパネル搭載の最新式です。フラットパネルにより従来の血管造影装置の1/2~1/3の被曝線量で明瞭な画像ができます。
私は恵仁会病院の血管カテーテル室、血管造影装置を一目見ただけで、最高レベルのUAE手技ができると確信しました。(これが赴任することになった理由の一つでもあります。)
もう一つ自慢があります。 UAE手技のスタッフは私以外は全員女性です。 診療放射線技師も女性です。有能な放射線技師は患者さんの卵巣に被曝しないように絞りを最大限に活用してくれます。女性だからこそわかるのかもしれません。
でも被曝が少ないということは術者やスタッフも助かります。(私たちも被曝するのですから。)
タイトルをクリックすると血管カテーテル室を(ちょっとですが)見る事ができます。
外科医 須磨久善
9月5日(日)に外科医 須磨久善というテレビドラマが放送されます。
私は2003年1月から2010年4月まで葉山ハートセンターでUAEを行っていました。
2003年に葉山ハートセンターに入職した当時の病院長が須磨久善先生でした。
婦人科領域のUAEがなぜ心臓専門病院で行えたかというと血管カテーテルという血管からのアプローチで治療するという共通性があったからです。
須磨先生は心臓外科医で私は放射線科医ですから直接指導してもらったことはありません。でも同じ病院で日頃顔を合わせるわけですから仕事内容はお互いに伝わってきました。直接指導を受けたことはありませんから、師匠とは呼べませんが、治療後は患者さんの笑顔がなくてはならないということを教えてくださった点からは恩師と呼べます。
忘れられないのは葉山ハートセンター入職早々にある会議での須磨先生の発言です。
「鳴り物入りでやってくる医師は数多く見た。実際に2-3ヶ月すれば本物かどうかはすぐわかる。」
当時私はUAEの症例では日本で有数の症例数を持っていましたから、いわゆる「鳴り物」だったのかもしれません。早い話、へたくそだったらすぐにお払い箱になるという意味でした。でも今までやってきたとおりにやればなんとかなると信じていました。
葉山ハートセンターで働き始めてしばらくたってのことです。
あるおすし屋さんでカウンターにすわっていました。雑談しているうちにおすし屋のご主人が「先生。どこの病院?」と聞いてきました。私は「葉山のハートセンター」と答えたら、たまたまそばに座っていたお客さんが「先生。葉山なの?」といい、おもむろに胸をはだけ、
「これ、須磨先生に手術してもらったんだ!」
と言ったのです。胸には真一文字に手術の痕がありました。
さて当初はUAE症例だけでしたが、他の血管内治療もできるということがまわりの先生方にわかっていただけたせいか、多くはありませんが、腸骨動脈等、末梢血管の形成術にも参加させていただくことができました。またカテーテルアブレーションという不整脈治療も見学させていただきました。その斬新な画期的治療には目を見張ったものです。
UAE症例は順調に増え、7年余りで840症例ほどをさせていただくことができました。
須磨先生はさらなる発展を求めて東京にある病院に行かれましたが、今でも時折患者さんを紹介してくださります。紹介状をみるときはうれしさと同時に身が引き締まります。なぜなら患者さんを満足させると同時に紹介してくださった先生も納得させなくてはならないからです。
もちろん紹介状のあるなしで治療の質が変わることはありません。
テレビドラマ外科医-須磨久善を楽しみにしています。
私は2003年1月から2010年4月まで葉山ハートセンターでUAEを行っていました。
2003年に葉山ハートセンターに入職した当時の病院長が須磨久善先生でした。
婦人科領域のUAEがなぜ心臓専門病院で行えたかというと血管カテーテルという血管からのアプローチで治療するという共通性があったからです。
須磨先生は心臓外科医で私は放射線科医ですから直接指導してもらったことはありません。でも同じ病院で日頃顔を合わせるわけですから仕事内容はお互いに伝わってきました。直接指導を受けたことはありませんから、師匠とは呼べませんが、治療後は患者さんの笑顔がなくてはならないということを教えてくださった点からは恩師と呼べます。
忘れられないのは葉山ハートセンター入職早々にある会議での須磨先生の発言です。
「鳴り物入りでやってくる医師は数多く見た。実際に2-3ヶ月すれば本物かどうかはすぐわかる。」
当時私はUAEの症例では日本で有数の症例数を持っていましたから、いわゆる「鳴り物」だったのかもしれません。早い話、へたくそだったらすぐにお払い箱になるという意味でした。でも今までやってきたとおりにやればなんとかなると信じていました。
葉山ハートセンターで働き始めてしばらくたってのことです。
あるおすし屋さんでカウンターにすわっていました。雑談しているうちにおすし屋のご主人が「先生。どこの病院?」と聞いてきました。私は「葉山のハートセンター」と答えたら、たまたまそばに座っていたお客さんが「先生。葉山なの?」といい、おもむろに胸をはだけ、
「これ、須磨先生に手術してもらったんだ!」
と言ったのです。胸には真一文字に手術の痕がありました。
さて当初はUAE症例だけでしたが、他の血管内治療もできるということがまわりの先生方にわかっていただけたせいか、多くはありませんが、腸骨動脈等、末梢血管の形成術にも参加させていただくことができました。またカテーテルアブレーションという不整脈治療も見学させていただきました。その斬新な画期的治療には目を見張ったものです。
UAE症例は順調に増え、7年余りで840症例ほどをさせていただくことができました。
須磨先生はさらなる発展を求めて東京にある病院に行かれましたが、今でも時折患者さんを紹介してくださります。紹介状をみるときはうれしさと同時に身が引き締まります。なぜなら患者さんを満足させると同時に紹介してくださった先生も納得させなくてはならないからです。
もちろん紹介状のあるなしで治療の質が変わることはありません。
テレビドラマ外科医-須磨久善を楽しみにしています。
外国の論文
Effect of Uterine Artery Embolization on Uterine and Leiomyoma Perfusion: Evidence of Transient Myometrial Ischemia on Magnetic Resonance Imaging
UAE後の血流をMRIで評価したという主旨の論文です。2010年4月にJVIR(Journal of Vascular and Interventional Radiology)という雑誌に発表されています。ドイツ発。
UAE直後は子宮全体に血流はないが、48-72時間以内に正常子宮部分の血流が回復し、梗塞になった筋腫は回復しないということです。観察期間は平均5ヶ月。
これを読んで、(抄録だけです全文は読んでいません)いささか驚いたというかやっぱりと思ったのは、
Ten patients had complete infarction of all leiomyomas; five presented with 11 partially perfused leiomyomas.
の部分で、15症例中すべての筋腫核が完全梗塞となったのが10例、5症例11の筋腫核が部分塞栓であったという文です。
つまり完全梗塞率は10/15=66.7%ということになります。
塞栓物質はtris-acryl gelatin microspheres という物質で日本では流通していません。
日本で行われているUAEの塞栓物質はゼラチンスポンジですが、おそらくどこの施設でも完全梗塞率は80%前後かそれ以上だと思います。
使用されたtris-acryl gelatin microspheres のサイズはわかりませんが、率直に言って、日本のUAEの方が成績が良い。欧米でUAE後5年で20%が再発というのはこの完全梗塞率の低さからも理解できます。
抄録はタイトルをクリックすると読めます。
UAE後の血流をMRIで評価したという主旨の論文です。2010年4月にJVIR(Journal of Vascular and Interventional Radiology)という雑誌に発表されています。ドイツ発。
UAE直後は子宮全体に血流はないが、48-72時間以内に正常子宮部分の血流が回復し、梗塞になった筋腫は回復しないということです。観察期間は平均5ヶ月。
これを読んで、(抄録だけです全文は読んでいません)いささか驚いたというかやっぱりと思ったのは、
Ten patients had complete infarction of all leiomyomas; five presented with 11 partially perfused leiomyomas.
の部分で、15症例中すべての筋腫核が完全梗塞となったのが10例、5症例11の筋腫核が部分塞栓であったという文です。
つまり完全梗塞率は10/15=66.7%ということになります。
塞栓物質はtris-acryl gelatin microspheres という物質で日本では流通していません。
日本で行われているUAEの塞栓物質はゼラチンスポンジですが、おそらくどこの施設でも完全梗塞率は80%前後かそれ以上だと思います。
使用されたtris-acryl gelatin microspheres のサイズはわかりませんが、率直に言って、日本のUAEの方が成績が良い。欧米でUAE後5年で20%が再発というのはこの完全梗塞率の低さからも理解できます。
抄録はタイトルをクリックすると読めます。
UAE以外のIVR
府中恵仁会病院ではUAE以外のIVRも手がけています。 心臓血管系は心臓血管病センターで、脳血管は脳卒中センターで行っています。
今週は2例のUAEと1例の消化管出血に対する塞栓術を行いました。
消化管出血の患者さんは十二指腸の憩室からの出血で、内視鏡でおおよその止血はできましたが、十二指腸のより奥の部位からの出血に対する止血が困難で、血管からのアプローチによって止血しました。十二指腸アーケードと呼ばれる部分からの出血のため、まず腹腔動脈側から胃十二指腸動脈経由で上膵十二指腸動脈へカテーテルを進めコイルを留置しました。
出血部は下膵十二指腸側からも血流を受けるので、引き続き、上腸間膜動脈から空腸動脈第1枝
(J1と呼びます)へカテーテルを進め、下膵十二指腸動脈、さらに膵アーケードまでカテーテルを進めコイルを留置しました。
UAEの場合もそうですが、今回の消化管出血で膵アーケードまでの選択的なカテーテル挿入はマイクロカテーテルといわれる非常に細いカテーテルを使用してこそ可能になっており、さらにそのマイクロカテーテルのためのガイドワイヤー(マイクロガイドワイヤー:微細血管用ガイドワイヤー)を使用してこそ可能です。
ガイドワイヤーが到達すれば、カテーテルもそれに追従して挿入されると思われがちですが、必ずしもそうではありません。力学的、物理的な力のかかる方向、ガイドワイヤーとカテーテルの摩擦係数などが複雑に絡み合っているのです。
ガイドワイヤーとカテーテルの摩擦にも2種類あって、一つは静止摩擦、もう一つは動摩擦です。
ガイドワイヤーが目的の部位まで挿入されているのにカテーテルがそこまでいかない、カテーテルが動かないというのはカテーテルが進む方向への力が最大静止摩擦力を超えないからです。
こういうときには、カテーテルを押さないで、ガイドワイヤーを引き戻します。 ガイドワイヤーを引き戻しながらカテーテルを押します。つまり最大静止摩擦力を超える力をガイドワイヤーを引き戻すことによって作り、動摩擦の状態にします。そうするとカテーテルがするすると目的の部位に進んでいきます。 この操作を繰り返すことにより目的の部位までカテーテルを誘導させることが可能です。
こういったことは理屈でわかっていても体得するのは時間がかかります。
来週は2例のUAE、1例の肝動脈塞栓術が予定されています。
今週は2例のUAEと1例の消化管出血に対する塞栓術を行いました。
消化管出血の患者さんは十二指腸の憩室からの出血で、内視鏡でおおよその止血はできましたが、十二指腸のより奥の部位からの出血に対する止血が困難で、血管からのアプローチによって止血しました。十二指腸アーケードと呼ばれる部分からの出血のため、まず腹腔動脈側から胃十二指腸動脈経由で上膵十二指腸動脈へカテーテルを進めコイルを留置しました。
出血部は下膵十二指腸側からも血流を受けるので、引き続き、上腸間膜動脈から空腸動脈第1枝
(J1と呼びます)へカテーテルを進め、下膵十二指腸動脈、さらに膵アーケードまでカテーテルを進めコイルを留置しました。
UAEの場合もそうですが、今回の消化管出血で膵アーケードまでの選択的なカテーテル挿入はマイクロカテーテルといわれる非常に細いカテーテルを使用してこそ可能になっており、さらにそのマイクロカテーテルのためのガイドワイヤー(マイクロガイドワイヤー:微細血管用ガイドワイヤー)を使用してこそ可能です。
ガイドワイヤーが到達すれば、カテーテルもそれに追従して挿入されると思われがちですが、必ずしもそうではありません。力学的、物理的な力のかかる方向、ガイドワイヤーとカテーテルの摩擦係数などが複雑に絡み合っているのです。
ガイドワイヤーとカテーテルの摩擦にも2種類あって、一つは静止摩擦、もう一つは動摩擦です。
ガイドワイヤーが目的の部位まで挿入されているのにカテーテルがそこまでいかない、カテーテルが動かないというのはカテーテルが進む方向への力が最大静止摩擦力を超えないからです。
こういうときには、カテーテルを押さないで、ガイドワイヤーを引き戻します。 ガイドワイヤーを引き戻しながらカテーテルを押します。つまり最大静止摩擦力を超える力をガイドワイヤーを引き戻すことによって作り、動摩擦の状態にします。そうするとカテーテルがするすると目的の部位に進んでいきます。 この操作を繰り返すことにより目的の部位までカテーテルを誘導させることが可能です。
こういったことは理屈でわかっていても体得するのは時間がかかります。
来週は2例のUAE、1例の肝動脈塞栓術が予定されています。
府中恵仁会病院でのUAE近況
府中恵仁会病院に東京UAEセンターを設立させていただきちょうど丸3ヶ月が経過しました。
府中恵仁会病院だけでこの3ヶ月間にのべ30名の患者さんにUAEをさせていただきました。
初診からUAE手技、入院管理、経過観察と一貫して私が行っております。もちろん婦人科鈴木先生の強力なバックアップの元です。
何かあったら婦人科が面倒みてくれるからいいやという気持ちではいけません。
婦人科に面倒見てもらわないように適応を厳格にし、副作用、合併症なく、治療効果を上げるようにしなくてはなりません。
府中恵仁会病院だけでこの3ヶ月間にのべ30名の患者さんにUAEをさせていただきました。
初診からUAE手技、入院管理、経過観察と一貫して私が行っております。もちろん婦人科鈴木先生の強力なバックアップの元です。
何かあったら婦人科が面倒みてくれるからいいやという気持ちではいけません。
婦人科に面倒見てもらわないように適応を厳格にし、副作用、合併症なく、治療効果を上げるようにしなくてはなりません。
子宮筋腫に対するUAE
子宮筋腫に対するUAEは1998年10月でした。 それまでは子宮ガンで出血が止まらない症例に対して行ったことはありました。進行したガンだったためガンの治療のためのUAEというより出血を軽減することが目的でした。
子宮筋腫に対するUAEは目的が違ってきます。 筋腫による症状(過多月経、月経痛、圧迫症状)を緩和することが目的です。 仮に緩和が半年程度であれば有効とはいえません。
最低でも3-5年は症状が緩和されていなくてはと考えます。
というのはリュープリンの注射1クールだけでおおよそ1年ほどは症状緩和が可能だからです。
3クール行えば3年ほどは症状緩和が期待できるのです。
UAEに関してはアメリカやフランスのデータでは3年でほぼ85%、5年で80%ほどが症状コントロールされているようです。
なんとなく良さそう思ってしまいますが、私は成績が悪いと思っています。
5年で20%が再発するということです。
あるクリニックだけで年間100症例ほどUAEを行いますが、5年で20%が再発するのなら5年以降毎年20人づつ再発するということになりますから10年やっていれば累積で100人が再発するということになります。
そのクリニックの院長先生と再発率に関して話しましたが「5年で20%も再発していたらやってられませんよ。せいぜい数%といったところですよ。」とおっしゃてくださいました。
ちょっとほっとしました。
子宮筋腫に対するUAEは目的が違ってきます。 筋腫による症状(過多月経、月経痛、圧迫症状)を緩和することが目的です。 仮に緩和が半年程度であれば有効とはいえません。
最低でも3-5年は症状が緩和されていなくてはと考えます。
というのはリュープリンの注射1クールだけでおおよそ1年ほどは症状緩和が可能だからです。
3クール行えば3年ほどは症状緩和が期待できるのです。
UAEに関してはアメリカやフランスのデータでは3年でほぼ85%、5年で80%ほどが症状コントロールされているようです。
なんとなく良さそう思ってしまいますが、私は成績が悪いと思っています。
5年で20%が再発するということです。
あるクリニックだけで年間100症例ほどUAEを行いますが、5年で20%が再発するのなら5年以降毎年20人づつ再発するということになりますから10年やっていれば累積で100人が再発するということになります。
そのクリニックの院長先生と再発率に関して話しましたが「5年で20%も再発していたらやってられませんよ。せいぜい数%といったところですよ。」とおっしゃてくださいました。
ちょっとほっとしました。
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